ハステロイの特徴

ハステロイは、耐食性を求めて開発されたニッケルベースの合金で、アメリカのヘインズ・インターナショナル社の商標です。現在、日本国内ではMMCスーパーアロイ株式会社がハステロイを取り扱っていますが、ハステロイと同等の配合をした製品も流通しています。

ハステロイは、ニッケルをベースとし、クロム、鉄、モリブデンなどを添加しており、
・耐熱性
・耐食性
・耐酸化性
などに優れているため、高温下で腐食性の高い環境化で利用されます。

その一方で、
・機械的強度
・クリープ強度
・疲労強さ
には劣るため、構造材などには適しません。

ハステロイは、含有する成分量で規格が変わり、ハステロイBやハステロイC、ハステロイXなどの規格が存在しています。
・ハステロイB:塩酸に対する耐食性が高い
・ハステロイC:耐食性全般が高い
・ハステロイX:高温下での強度、耐酸化性が高い
など、それぞれで異なった特徴を備えています。

高い耐熱性能を持つハステロイですが、熱伝導が悪く、刃物素材との親和性も高いため、難削材として知られています。

ハステロイの主な用途

ハステロイ切削加工

ハステロイは、高温下での優れた耐食性を活かし、主に製造機器に利用されています。
代表的な分野では、
・石油化学関係
・熱交換器
・製紙工業
・ガスタービンエンジン
などがあげられます。

ハステロイの切削性

ハステロイの切削は非常に難しく、インコネルなどと並び、難削材の代表格として知られています。
ハステロイの切削が難しい理由には、
・熱伝導が悪い
・工具材質との親和性が高い
・加工硬化しやすい
といった点があげられます。

ハステロイ切削加工

熱伝導が悪いため、切削点の熱が放散されず、その場に留まり続けます。その結果、切れ刃が高温になってしまい、塑性変形を起こしやすくなってしまうのです。

また、親和性も高いので、高温になると切れ刃にハステロイが溶着してしまい異常摩耗を引き起こしてしまいます。

そのため、切れ刃の状態が少し悪くなると、加速度的に摩耗するという特徴があるので、切れ刃の状態には常に気を使う必要があります。

このような特徴があることから、刃物の材質にはコーティングが施された超硬合金を用いるのがおすすめです。