モリブデンの特徴

モリブデンは、単体では白銀色の金属で、常温でも酸化皮膜を作り出す金属です。

モリブデン単体の場合は、比重10.28、融点2620℃、沸点4650℃という性質をもっています。融点が非常に高く、溶解することが難しいため、一般的にモリブデンを利用する場合は、粉末にして焼き固める「粉末冶金」で利用されることがほとんどです。

モリブデンの持つ特徴には、
・熱による膨張が少ない
・高温下での形状安定性が高い
・電気抵抗値が高い
などがあげられます。

モリブデン切削加工

モリブデンの産出量は国別で、中国が約40%、アメリカが約24%、チリが15%となっています。産業用途で重要とされる一方で、日本国内ではほとんど採掘がないため、輸入に頼っているのが実情です。

また、流通しているモリブデンのほとんどが、銅を精錬する際に出る副産物として出てくるものとなっています。そのため、銅の生産量に比例して流通量が上下するという特徴もあります。

モリブデンの主な用途

モリブデン切削加工

モリブデンが最も利用されるのは、鉄系金属へ添加です。

モリブデンが添加された鉄系金属は、靭性や硬度に優れた特性を持つため、車・機械・建築・造船などの分野で利用されます。代表的な合金では「クロムモリブデン鋼」「マンガンモリブデン鋼」「ニッケルクロムモリブデン鋼」などがあげられます。

鉄系金属への添加以外にも、モリブデン単体の「純モリブデン」やモリブデンを主体とした「モリブデン合金」などでの利用も珍しくありません。

純モリブデンは化学工業用の触媒などに、モリブデン合金は電子機器の部品として利用されています。モリブデンの優れた耐熱性と高い電気抵抗は、ヒーターやフィラメント、電極として使用されており、身近な存在となっています。

また、硫化モリブデンは摩擦抵抗が少ないという特徴があるため、潤滑剤などに添加剤として利用される場合があります。

モリブデンの切削性

純モリブデンの切削性は、同じ高融点金属のタングステン、タンタルなどに比べて優れています。しかし、一般的な炭素鋼などに比べると粘りなどの問題から加工難易度は高く、切削にはそれなりの準備が必要です。

純モリブデンの加工に用いる刃物は「超硬合金K10種」が最適。PVCコーティングを施したものであればさらにおすすめです。サーメットは適さないので注意しましょう。

純モリブデンは、普通に加工してしまうと仕上げ面がむしれた状態になることが多いため、すくい角の大きいシャープエッジの刃物を利用するのがおすすめです。

モリブデン切削加工