タングステンの特徴

タングステンは希少性の高い金属で、いわゆるレアメタルに属する金属です。下記の表の通り、比重19.3、融点3380℃、沸点5555℃と、全てにおいて高い数値をもっているのが特徴です。

中でも融点は、全金属中もっとも高い温度を誇ります。加えて、熱膨張係数が全金属中最も小さい特徴から、高温下でも優れた寸法安定性を発揮します。

高温に強いという特徴がある反面、溶解しての加工が難しいことから、タングステンを粉末にして焼き固める「粉末冶金」という手法で加工されるのが一般的です。

タングステンは非常に硬度が高い金属ですが、炭化することでさらに硬くなるのが特徴です。炭化したタングステンは「炭化タングステン」もしくは「タングステンカーバイド」と呼ばれ、様々な分野で活躍しています。

また、金属としては電気抵抗が高い性質や、X線を通さない性質も備えているのが特徴です。タングステンは希少金属で、産出地に偏りがあり、タングステンの約8割が中国で産出されてます。

タングステンの主な用途

タングステン切削加工

タングステンの用途は幅広く、あらゆる分野で使用されています。

タングステンの用途で最も多いのが、切削工具としての利用です。炭化タングステンを粉末にし、コバルトの粉末と混ぜ合わせ焼結したものは「超硬合金」と呼ばれ、優れた性能と寿命を誇り、量産加工の現場では欠かせない存在となっています。

タングステンの他の用途では、
・TIG溶接やプラズマカッターなどの電極
・対戦車用の徹甲弾
・電球のフィラメント
などがあげられます。

他にも釣りの重りなどでも利用されていますが、加工が難しい点と素材自体が高価という点でなかなか普及していません。

タングステンの切削性

タングステンは超硬合金の工具の材料として使用されるほど、高い硬度と耐熱性をもった金属です。そのため、タングステンを切削するというのは非常に難しいでしょう。

タングステンを切削する場合、超硬合金の刃物での切削はおすすめできません。なぜなら、超硬合金を用いて加工すると仕上げ面がむしれたような状態になってしまうからです。

タングステン切削加工

表面の仕上がりを上げるには「サーメット素材」の刃物を利用するのがベストです。荒加工の場合は、クーラントを用いるほうがおすすめですが、仕上げ加工の場合はクーラントを使用しない乾式で行うほうが仕上がりが良くなります。

これはクーラントをしようすると刃物が食い込まず逃げてしまうことが原因です。仕上げ加工の場合はクーラントを使わないよう注意しましょう。